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ツシマ沖の海戦(その百四十二)The Battle of Tsushima
2006-11-21 Tue 03:23
ブローヒン副長は、報告に来た三等兵曹に命じた。
「昇降口の番兵を増やせ。居住甲板から一歩も出してはならん」
「解りました」
収容されたオスラビアの乗員が押し込められている居住甲板は、隔壁に囲まれた下甲板にあった。
乗員たちは甲板の上に寝転がり、あるいは立ち上がってうろうろ歩き回っている者も見られた。
中には泣いている者もいた。
精神に異常をきたしたある砲部員は、甲板の上でのた打ち回り、片手に釣床を抱え、片手を水を掻くように回しながら、「助けてくれ。溺れる」と大声で叫んでいた。
ただ物陰にじっと蹲り、艦の沈没を待っているように見える者もいた。
オシボフ少佐が指揮する兵員の一部は、昇降口に押しかけ、口々に怒鳴り散らした。
「何故こんなところに閉じ込めるんだ。我々は罪人か」
「俺たちを溺れさすつもりか。白旗を掲げろ」
艦上では絶えず爆発音が轟き、火災が発生していた。
オシボフ少佐が、灰色の顎鬚を震わせながら、昇降口を守っているセニャフスキー少尉とアウグストフスキー見習い士官に向かって喚いた。
「わしは二度も溺れるのはご免だ。わしは艦隊参謀だ。誰もわしを閉じ込めることはできないはずだ」
二人はしゃがれ声で騒ぎたてるこの参謀を無視した。
居住甲板で巨弾が炸裂して、准士官室を破壊し、右舷の舷側に二平方サージェンの大穴が穿たれた。二平方サージェンといえば、十平方メートルほどの広さである。
この爆発はオスラビアの乗員六名の命を奪い、さらに十名ばかりの者に傷を負わせた。
パニックが発生した。
兵員たちは昇降口へ殺到した。
そこに立っていた番兵はあっという間もなく踏み潰された。
その恐怖はドンスコイの正規の乗組員にまで伝染した。
艦底にいた弾薬員たちも先を争って上甲板へ逃れようとした。
ようやく上甲板に逃れた者は、艦上の惨状を眼にしてただ呆然とした。
彼らは一様に恐怖の表情を浮かべて、身の置き所を探そうとして小火があちこちで起こっている甲板を走りまわった。
ブローヒン中佐は、己の為すべき事柄をはっきりと自覚していた。
彼は脳裏で、先刻、司令塔で起こった惨事のことを思い起こしていた。
そのとき、甲板にいる中佐のもとへ、一人の水兵が駆け寄ってきて、咳き込みながら報告したのだ。
「副長、艦長がお呼びです」
中佐は直ちに艦橋へ駆けつけたが、そこで酷く破壊されている司令塔を見て、唖然とした。
司令塔の床一杯に血溜りが拡がっていた。
そこは、もはや死体置き場と化していた。
ただ一人の生存者であるレベーデフ艦長が、舵輪に凭れて辛うじて立っていた。
老艦長の顔は苦痛に歪んで見えた。大腿部を貫通した弾片が骨を砕いていたのだ。
体中から出血が見られるのは、小さな弾片が全身に食い込んでいることを示していた。
艦長は片足で立ちながら、伝導装置が破壊された艦が自然に右舷へ偏っていくことにも気づかず、懸命に針路を保とうとしていたのだ。
副長の顔を見ると、血の気の失せた唇を動かして、「指揮を譲る」とかすれた声で言った。

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