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ツシマ沖の海戦(その百三十七)The Battle of Tsushima
2006-11-16 Thu 00:00
既に海上には、夕闇が迫っていた。
相羽は、ブイヌイに点灯を命じ、曳航を開始した。
しかし、やっかいなことに曳航索が三度にわたって切断した。
そのため、ようやくベドウイが動き出したのは、午後七時二十分を超えてからであった。
その時期、東方の海上からは砲声がしきりに聞えてきた。
漣は敵艦の来襲に注意を払いながら、慎重に蔚山を目指して航進していった。
一方、降伏したネボガトフの艦隊を包囲する日本主力艦隊の方も、捕獲作業に手間取っていた。
その一つの原因は、装甲海防艦ウシャコフ(四千六百五十トン)の攻撃に装甲巡洋艦磐手(九千九百十トン)、同八雲(九千八百トン)の二艦を割いたからである。
装甲海防艦アプラクシン(四千百三十トン)の場合は、装甲巡洋艦出雲(九千九百十トン)の副長上村経吉中佐を指揮官とする捕獲隊は、手際よく作業を続けた。到着するすぐ乗組員四百二十名を味方の艦に移乗させ、午後六時三十分には、全作業を終了させていた。
ところが、装甲海防艦セニャーウィン(四千八百トン)の方では、この時刻にようやく装甲巡洋艦常磐(八千八百六十トン)の副長上村翁輔中佐の率いる捕獲隊が到着したばかりという有様であった。
指揮官上村中佐は、雑然としたセニャーウィンの艦内を一瞥して呆然としていた。
火砲をはじめとして、武器類は全て破壊されるか、主要な部品が取り外されていた。
小火器類は全く見つからなかったので、既に海中に投棄されたものと思われた。
艦内に張り巡らされた電線もずたずたに切断され、同艦は、もはや軍艦としての機能を殆ど失っていた。
その他、艦内の貴重品は分配してしまったらしく、収納庫のドアは開きっぱなしで、床の上には、書類が一面に散乱していた。
艦内の乱雑不整頓は言語に絶するほどであった。
上村は、あたかも火事場騒ぎを眺める思いがして、憮然とした。
乗組員は見れば、捕虜になる為の荷造りに忙しい者、勝手に食べ物を盗み出して食らう者、泥酔して士官に金銭、物品を強要する者など手のつけられない惨状を呈している。
あちこちには数人ずつグループを作り、ごろ寝して何やら盛んに語り合っている。
その無統制ぶりに、一番分隊長らしき一士官が、処置に窮して涙を流していた。
「ああ。戦いに敗れるとはこのことか」
上村は心中に、その士官に対する一抹の同情の念が沸きあがるのを禁じえなかった。
幸い日本側に対して不穏の状を示す者はいなかった。
しかし、常磐の捕獲隊員は僅かに六十二人である。
これに対して、セニャーウィンの乗組員は、四百五名である。
出雲、装甲巡洋艦吾妻(九千四百六十トン)からの要員も未だ到着しない。
言語は通ぜず、ロシア兵は日本側に対しては、まるで無関心で勝手な行動に耽っている。
海上には夜の闇が深く漂ってきた。
何時になったら、捕獲任務が完了するのか見当もつかず、上村中佐は、ただ憮然とした顔つきで、腕を組むほかになす術を知らなかった。

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